こんにちは。ARUKUKIの雄貴(奥野雄貴)とこっちゃん(松下琴乃)です。
雪から雨に変わる季節「雨水(うすい)」
季節にあわせてわたしたちの近況をお届けする「ARUKUKI ー 季節のお便り ー 」
本日は、2025年の「雨水(うすい)」を迎えました。
「雨水」は、気温の上昇につれて、降るものが雪から雨へと変わる頃のこと。
みなさまのなかで雪解けして雨に移りゆくものはありますか?
この問いを我が家に当てはめてみます。
我が家において雪解けして移りゆくものは「夫婦関係」でしょうか。
私たちは夫婦でARUKUKIという会社を営んでおりますが、ありがたいことに(?)二人は仲むつまじい「おしどり夫婦」であると思っていただいている方が多いようです。
これはある意味正しく、ある意味正しくありません。
「地獄を見たほうがいい」
数年前のある日、私はコーチング業界の大先輩とお話をしていました。話の流れから、今後の私の発達課題・成長にあたって、大先輩の視点からフィードバックをいただけないかと尋ねたことがありました。
「あなたはちゃんと地獄を見たほうがいい。」
聴いておきながら、私は予想とはまったく違う角度からのフィードバックにドキリとしました。
「なんだって?!地獄!?ちゃんと見た方がいい!?なんだとー!」
そのとき、私はなんて酷いことを言うのだとたじろぎました。しかし、最近この出来事を思い出して、こう言ってもらえたことがとてもありがたいことだなと懐かしく思い直しています。
(ちなみに、この話をフィードバックをしてくれたご本人に改めてしたところ、この発言をした記憶がないとのことで驚きました。人が何気なく発した言葉の一つひとつが相手に与えるインパクトの大きさよ!)
果たして誰が悪いのか。
ARUKUKIは夫婦で営んでいる会社であり、私たち自身も「夫婦であること」、そして「夫婦をやること」を大切にしています。夫婦やパートナーがいらっしゃる方は、(多くの場合は)ご存知であると思いますが、関係性のなかには良いときもあれば、そうでないときもあります。
付き合いたて、新婚ハネムーン期には、「痘痕も靨(あばたもえくぼ)」。ひいき目で見れば短所も長所に見える、どんな相手でも愛しくてたまらないようなそんな幻想の中に私たちは生きています。
しかし、健全に夫婦で生活を営んでいるといろいろな壁や困難に直面します。そして、それは我が家も例外ではありません。
そのときに「私が好きだった妻・夫はこんな人じゃなかった」「どうして◯◯をしてくれなくなってしまったのか」と変わってしまった相手に対して矢印が向かいがちです。
果たして、悪いのは本当にあなたの好きだったパートナーなのでしょうか。
「この関係にうんざりしている」
私たちはこの数年間、月に1度ほどのペースで夫婦セラピーを受け続けています。
私たち夫婦は、再婚同士であり、当時は琴乃の娘が小学校4年生。いわゆるステップファミリーです。一緒に住みはじめて、しばらく経つなかで、価値観も合う、対話をする時間も意識的に持っている、お互いの弱みもさらけだせる。いい関係だと、そう思っていました。
しかし、しばらくして2人の間に小さな違和感が現れ始めました。そして、次第に硬直していく夫婦間の対立。関係性は悪化の一途を辿り、頻繁に不毛な喧嘩をするようになりました。
「夫婦で成長していけると思っていたけれど、この関係にうんざりしている」
気づいた頃には、こう認めざるを得ないところまできていました。どちらも悪くないし、お互いに努力しているのも理解していたけれど、どうにもできない。
同時に、自分たちは、対人支援者なのだ。なんとかできるに違いない。そんな幻想も終わりの見えない地獄のような不毛な喧嘩が続くことで打ち砕かれていました。
そして、ここで逃げたり諦めたりとて、相手や環境を変えたとて、自分の人生のパターンとしてこの地獄を繰り返すことも目に見えていました。
私たちは自分たちだけではこの課題に向き合えないことを痛感し、夫婦セラピーを受けることに決めました。そして、それはいまも続いています。
夫婦セラピーを受け続けること。これが我が家が我が家として成り立っている秘訣であると思っています。
「地獄の道を通らないと、春は来ない」
夫婦セラピーのなかで、セラピストに言われてハッとしたことがあります。
「いいかい。夫婦というのは、ユートピアではないんですよ。地獄の道を通らないと春は来ない。夫婦はその地獄の道をともに歩む覚悟が必要なんですよ。」
自分のなかで、夫婦セラピーにはなにか救いを求めていたことは事実です。
私たちが信頼するセラピストの力を借りれたら、地獄を抜けられるのではないか。
なにか魔法のような劇的な変化があるのではないかとどこかで期待していた自分は
、まさかここでも「地獄への誘い」を受けるとは思いませんでした。
セラピストからの一言であっさりと自分の希望が打ち砕かれたような感覚がありました。しかし、同時に夫婦として地獄の道をともに歩んでいくことに対する新たな視点が育まれていった感覚もありました。
夫婦であれど、私たちは所詮は他人。
夫婦とは不思議な関係です。
家族でありながらも、一番近しい関係にある他人。究極的な他人です。
一方で、中途半端に壊れた「世間」で生きている私たちは、この究極的な他人である夫婦という関係性に対して、中途半端な期待と幻想を抱いて生きています。
「わざわざ言わなくてもわかってくれよ」
「どうしてこの視点がわからないのか」
喧嘩をしている渦中はいつもこんなことを思います。
そして、それを伝えてもなおわかり得ないことで疲弊しています。
でも考えてみれば当たり前のこと。育ってきた環境もパーソナリティも違う二人が、個人を「私」という”I”として 一生懸命に生きていきながら、「私たち」という ”We” という視点を育み続けて成長していかなければならないのです。
セラピーを受け続けるなかで私たち夫婦である究極の他人同士は、ときに二人羽織をし、二人三脚をし、社交ダンスを踊るようにともに生活することを実践しています。
そして互いに甘え、労い、感謝し、謝る。
めんどくさく、水臭く、野暮でありながらも、丁寧にお互いに確認し合うコミュニケーションを図っていく必要があったことを身をもって思い出しはじめました。
七転び八起きしながらも、夫婦セラピーというサナギにともに入り、お互いにぐちゃぐちゃドロドロになりながら、私たちは少しずつ変体して蝶になるプロセスを歩んでいると思っています。
そんな地味でめんどくさくて、チマチマとコツコツ泥臭いコミュニケーションを続けていくと、不思議と地獄の道にも光が差し込みはじめました。
対人支援者として身を持った学びと発達理論の視点
夫婦セラピーを自分たち自身が受け続けること。そして、私たちが共同探求している成人発達理論の実践を通じて、いかに自分の死角領域を自覚し、他者の視点を汲み取りながら協働する力を発揮していくこと。
この夫婦セラピーと発達志向型のトレーニング。この2つがなければ、いまの私たち夫婦とARUKUKIはないと思います。
夫婦セラピーと季節が移り変わるなかで私たちの夫婦関係に根雪のように残っていた硬いしこりのような雪が少しづつ解け、いままた新たに春の芽吹きを感じる季節になってきています。
きっと季節が巡るように、また私たちは大小様々な喧嘩やすれ違いを繰り返しながらも、今後も地獄の道を歩き続けていくものと思っています。
以上!めでたし、めでたし!
と終わりたいところですが、いまは夫の雄貴とまもなく中2になる娘の関係性が超絶悪化しております。さて、反抗期に突入したのはどちらでしょうか苦笑
ここでも発達志向型のシャバでのトレーニングが続いていきます。(つづく)
今後の活動のご案内
今夏スタート
このプログラムでは、コーチ、コンサルタントなどの対人支援者はもちろん、組織のリーダー・マネジメント層の方に向けて発達理論を活用した対人支援について、理論と実践を学んでいく6ヶ月のインテンシブなトレーニングとなっています。
ご自身のコーチング・コンサルティングなどの対人支援が壁にぶつかっている方、学ぶこととはどういうことかを知りたい方には発達志向型のアプローチは不可欠です。
ご興味・ご関心ある方、ぜひご一緒しましょう!
https://www.arukuki.com/developmentalcoaching
【事前登録フォーム】
ご関心ある方はこちらにご登録ください。今後予定されている各種イベントや説明会のご案内をお送りさせていただきます。
https://forms.gle/XpcYHHhqNAK5kA1x7
2.【「成人発達理論」から考える人と組織の成長・発達シリーズ】 発達心理学の新しいパラダイムを知る|発達志向型コーチングを学び・実践する
3/4(火)7PMスタート
10年前、キーガンの成人発達理論が日本に紹介されて以降、いま「発達理論」界隈がどのようになっているのか。
初学者の方からマニアの方まで、奮ってご参加ください!
https://developmentalcoaching20250304.peatix.com/view
3. 【ゲシュタルト✖️家族療法】5/31(土) & 6/1(日) 家族という集団システムと個人の生き方の関係を紐解く2Days ワークショップ in 名古屋
5/31(土) & 6/1(日)
今年で4回目。土日開催に戻った通称:ゲシュカレー。
わたしたちは、家族システムと個人の生き方が深く結びついていると考えています。
親愛なるヒロさんこと野妻裕美さんをファシリテーターとしてお招きしながら、家族システムに焦点をあてたゲシュタルトセラピーを体験します。今年はARUKUKIからの家族システムについてのお話をさせていただく予定です。
家族についてともに学び体験しましょう。そしてカレーを食べましょう。
はじめての方も大歓迎です。
https://arukuki-gestalt2025.peatix.com/view
4. MBTIベーシックフィードバック(普段は法人向けに提供しているものを今回特別開催します。)
4/8(火)10AMスタート
MBTIは、個人一人ひとりが、自分の心を理解するためのメソッドです。このベーシックフィードバックのなかでは、ユングが提唱したタイプ論の理論の解説とともに、ご自身のタイプを検証するための様々なワークをグループで実践しながら、自己理解そして他者理解を深めていきます。
MBTIについては詳しくはこちらをご参照ください。
https://www.mbti.or.jp/what/
【詳細】
日時:4月 8日 (火曜日)⋅午前10:00~午後3:00(途中1h程度の昼休み含む)
料金:16,500円(税込)
内容:理論とタイプ理解が深まる演習
準備物:筆記用具・MBTIタイプ入門
https://amzn.to/3B8fld4
「タイプ入門」こちらの本は各自お手元にご準備ください。
ファシリテーター:奥野雄貴
【お申込みはこちらから】
https://forms.gle/h3Bph3oeSPks8r4Z9
(編集後記)
本日、2025年の雨水を迎えました。
今朝、夫より「メルマガ発行をするにあたり、近況を180〜200字程度で送ってください」と依頼されました。
現在、19:41。
どのような近況を書こうかと考えています。
最近の我が家は、とても賑やかです。下の娘は1歳3ヶ月となり、暴れん坊になってきました。リビングを散らかしたい放題、ノリノリで楽しくやっています。
上の娘は思春期になり、夫との関係性が悪化しています。夫婦関係はいつも通り、破壊と再生を繰り返しています。
成人発達理論を学び実践していなかったら、相当なストレスで身体がやられていたことでしょう。毎日、いろいろなことがありますが、いろいろあって面白いなと思います。
それでは、みなさま、ごきげんよう。
こっちゃん
(写真は娘がスマホでイタズラしていて撮れた自撮り。)
この季節のお便りのシェアは大歓迎です。
どうぞこれからも季節のお便りを楽しみにしていてください。
2025.2.18. 雨水
ARUKUKI
奥野雄貴 & 松下琴乃
https://www.arukuki.com/
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